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第14回福岡県医学検査学会
北九州市内で分離された基質特異性拡張型β-lactamase(ESBL)産生株の薬剤感受性について
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目的
ESBLは、第三、四世代セファロスポリンおよびモノバクタム系のβラクタム薬を分解するβラクタマーゼであり、汎用(はんよう)されている経口および注射用セフェムに耐性を示します。
また院内感染を引き起こしやすい耐性菌でもあり、検査室側が早期に検出し、報告することは重要であります。
国内での報告例は、いまだ少ないですが、当小倉医師会センターに依頼された検体からも1999年後半より、ESBL産生株が分離されるようになってきました。
2002年のESBL産生株の分離状況について報告します。
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菌株は2002年3月から2002年8月までの6カ月間に当小倉医師会センターに依頼された検体のうち薬剤感受性測定がなされた腸内細菌科の菌種を対象とし、同一患者、同一検体は1株としました。
E.coli、K,peumoniaeおよびP.mirabilisでは、CPDX(セポドキシム)8μg/ml以上を、その他の菌種では、CAZ(セフタジチム)またはCPR(セフピロム)のMIC値が8μg/ml以上を目安とし、ESBL産生疑いとしました。
薬剤感受性測定は、寒天平板希釈法、ディスク拡散法とし、PCRによるβラクタマーゼ遺伝子の検索は各種ESBLの遺伝子配列より、TEM、SHV、CTX-M-2、CTX-M-3およびUOE-2の5タイプについて実施しました。
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これは、PCRに使われた5つのプライマーです。
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写真はCTX-MタイプのESBL産生菌です。
ESBLは、薬剤単剤の阻止円とクラブラン酸含有ディスクの阻止円を比較して5mm以上増大したもの、希釈法では、クラブラン酸の添加によりMIC値が8倍以上低下したものをESBL産生株とします。
これらの写真は、CPDX(セポドキシム)、CTX(セフォタキシム)の阻止円がクラブラン酸の添加により明らかに増大しているのがみとめられます。
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ESBL産生株分離患者の材料別、年齢別分布です。
材料別では、尿18、呼吸器9、膿4、血液2、便1検体でした。
年齢別では、11歳が1名の他は56歳〜96歳に分布しており、65歳以上の高齢者が、88.2%を占めています。
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ESBL産生株の型別分離数は、UOE-2、15株、CTX-M2、19株でした。
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施設別ESBL産生株の分離数は8施設より34株でした。
特定の1施設より多くの株が分離されており、院内感染の可能性が考えられます。
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ESBLに対する各種抗菌薬の感受性です。
アンピシリンはすべて256μg/ml以上と高度耐性を示しました。
ファロペネムはE.coli、K,pneumoniaeでは感受性、C,koseriは1−8μg/mlを示しました。
イミペネムは全株に対して感受性を示しました。
レボフロキサシンはK,pneumoniaeに対して感受性をしめしましたが、E.coli、C,kosekiに対しては高度耐性を示しました。 |
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まとめ
期間中に7施設より34株のESBL産生株が分離され、その内訳は、C. koseri 7株、E. coli 18株、K. pneumoniae 9株でした。
ESBLの型は、UOE-2 (CTX-M-14) 15株、CTX-M-2 19株でした。
ESBL産生株保有患者の年令は、11才が1名の他は、56歳〜96歳に分布しており、65歳以上の高齢者が88.2%(30/34)を占めていました。
検査材料別では、尿18、呼吸器9、膿4、血液2、便1検体でした。
特定の1施設より、23株(67.6%)が分離されており、またPFGEによる染色体DNAの切断パターンは同一または類似していたことより、院内感染の可能性が考えられました。
ESBL産生菌は感染症新法で規定されておらず、臨床側の意識は高くありませんが、検査側としては、早期検出、早期報告により、院内感染に対する注意を喚起しなければならないと思われます。
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